角館の武家屋敷通りにある仙北市立樺細工伝承館で、ただいま「古白岩焼50選展」が開催されています。展示は撮影禁止なのですが、後学のためということで特別に撮影許可をいただくことができました。 江戸時代中期1771 年に秋田県最古の窯元として始まった白岩焼。最多で六つの窯元があり、佐竹藩の藩窯として献上品を制作しつつ、当時の特産品であったどぶろくの貯蔵容器の「すず」など、庶民のための生活用品にも優品を多く残しました。特徴的なのは、作品に陶工の個人名が分かるハンコが押されていたこと。現代のような個人作家というカテゴリーがなかった江戸時代において、これは陶芸史的にも珍しいことなのです。実際、残されている作品を見ると、細工の細やかさと、意匠の多様性、釉薬使いのモダンさなど、大量生産の器にはない、陶工それぞれの作品づくりの矜持が感じられます。特に名工とされているのが、幕末に活躍した「二瀧」のハンコで知られる山手瀧治。美しい張りを持つ高いロクロ技術と、細やかな彫りの細工が見どころとなっております。伝承館2階の企画展示室の小さな展示ではありますが、美品揃いで見応えは十分、お近くにお越しの方はぜひぜひお運びください。 再来週に伝承館で行われる民藝夏期学校(講演会についてはまだ席に余裕があり、当日参加も可能だそう)では現代の白岩焼の紹介もあるので、合わせてご覧になるのもおすすめです。 「古白岩焼50選展」 平成27年6月27日(土)~8月23日(日) 仙北市立角館樺細工伝承館にて 〒014-0331 秋田県仙北市角館町表町下丁10-1 9時~17時(入場は16時30分まで) 【展示説明】樺細工同様、角館を代表する工芸品である白岩焼の古い作品を中心とした展覧会。内容は創始者松本運七などの初期作品から、幕末明治に活躍した山手瀧治や渡辺雄之助に至る優品50点で、白岩焼の歴史を辿るものである。
by waheegama
| 2015-07-04 09:31
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