登り窯の窯焚きから一週間、ようやく窯出しができました。この数ヶ月の仕事の結果がすべて表れるこの時間、不安と期待で一刻も早く窯出しをしたいところですが・・・当窯の作品は、冷めひび(急激な温度変化を受けてひびがはいったり割れたりしてしまうこと)がでることが多いので、慎重に窯が冷めるのを待っての作業です。
それでも、作品の多くはまだ熱をもって、人肌よりも温かいくらい。40度ほどの窯の中から冷たい外気にふれると「ピン、ピン」とガラスにひびが入るときのような澄んだ高い音を発します。これは、作品の表面に貫入(かんにゅう)という微細なひびがはいる音なのですが、まるで窯から生まれでた作品が一斉に呼吸を始める音のようにも聞こえるのです。
いつもよりも、短い日数で焼きあがった今回の窯。心配だった焼き上がりは・・・たいへんに良いものでした。またブログでもご紹介できたらと思います。